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私立大学等の振興に関する検討会議(第2回)議事録

公開日:2016年7月8日 

奥付

概要

私立大学等の振興に関する総合的な検討を行うための検討会議、第2回目。「学校法人のガバナンス・マネジメントの状況等に関する参考資料」(分量52ページ)の内容について事務局から解説。委員から2件のプレゼンテーション。その後、質疑応答。

西井泰彦委員(私学高等教育研究所)のプレゼンテーション。法人運営に係る実態と今後の在り方への提言。私立大学の法人運営という観点から見ると、私立大学は非常にまちまちで一定の決まりはない。経営組織、管理・運営組織、教学組織の3つが組み合わさっている。ある大学再生への取組み事例を紹介。学生減・収支悪化から大学再生への流れを整理。経営者が対応すべきこと、実際に行った紛争解決策。幾つかの私立学校で起きた経営上の問題事項の共通項を整理。教学側に抵抗されるような課題でも、これだけは実行すべきと説明して合意を求めることが必要。

両角亜希子委員(東京大学)のプレゼンテーション。私立大学のガバナンス、マネジメントに関する論点を整理。マネジメントは組織のミッションを遂行するための諸資源の活用方法。ガバナンスはネジメントの遂行を統治するための意思決定、合意形成のシステムのことを指す。日本では両者が混同されがち。議論が機関内のガバナンスに偏っている。日本の私学は政府からの統制や支援が間接的という特徴がある。間接的=私学に高い自主性が与えられている。ただし、個々の私学を信頼するのではなく、総体としての私学を信頼して、その中で自主的に統制機能が働くということを期待している。論点①:市場が縮小する時に自主性は機能するのか、しないなら政府と私立大学の関係はどのようになるのか。論点②:情報公開や学外者の経営参画の推進は、公共性を高めるうえで十分に機能しているのか。論点③:[学長を中心とした経営体制の構築]を政策的に一律に強制すべきではない(日本の私学のガバナンスの多様性というものが十分に理解されていない)。

詳細

■ 黒田座長挨拶及び事務局からの説明
 ○ 黒田座長
   - 本日の会義で行うこと
     ・ 西井委員と両角委員が意見発表
       - 私立大学が置かれている実態
       - 私学のガバナンス・マネジメント
   - 今後の会義で行うこと
     ・ 第3回:竹石委員と水戸委員が意見発表
       - 監事制度
       - 経営関係
     ・ 第4回:丸山委員が意見発表
       - 財政基盤
 ○ 千々岩私学行政課課長補佐
  <資料1「学校法人のガバナンス・マネジメントの状況等に関する参考資料」>
   - 2ページ目
     ・ 学校法人のガバナンスの仕組み
       - 理事会(合議制機関)
         ・ 学校法人の業務に関する最終的な意思決定機関
         ・ 理事長が学校法人を代表し、その業務を総理する
       - 評議員会
         ・ 学校法人の職員、卒業生等が評議員に選任されている
       - 監事
         ・ 学校法人の業務・財務状況等を監査する
   - 4、6ページ目
     ・ 学校法人は近年、2回の法律改正を経ている
       - 1回目の法律改正・・・平成16年に私立大学法の一部を改正
         ・ 理事会の設置をはじめとして、理事・監事・評議員会の制度を整備し、権限・役割分担を明確にした
         ・ 財務情報の公開
           - 財産目録等の関係書類につきまして、関係者への閲覧を義務付けるなど
       - 2回目の法律改正・・・平成26年の法改正
         ・ 私学全体の不信感につながるような異例な事態に、所轄庁が適切に対応するための仕組みを整備
           - (1)①法令の規定に違反したとき等に、所轄庁が必要な措置をとるべきことを命ずることができる
           - (1)②措置命令に従わないときは役員の解任を勧告することができる
           - (2)所轄庁は法律の施行に必要な限度において、業務・財産の状況について報告を求めたりすることができる
           - (3)学校法人の理事について、忠実義務を規定
   - 5ページ目
     ・ 法改正の際の施行通知
       - 「第三 留意事項」
         ・ 1(1)①理事制度の改善
           - 理事長:できる限り常勤化や兼職の制限を行う
           - 非常勤の理事:学校法人の運営の状況について定期的な情報提供を行うことが期待される
           - 外部理事:学校法人の規模や実状等に応じてできる限り積極的な登用が期待される
         ・ 1(1)③評議員会制度の改善
           - 当該学校法人の業務全体の状況について十分に把握できるように留意されたい
           - 評議員会の構成:当該学校法人の役員及び職員が大多数を占めたり、特定の同族が多く選任されたりすることがないようにされたい
   - 8ページ目~
     ・ 理事会や評議員会等の状況
       - 私学事業団あるいは私学高等教育研究所におけるアンケート等のデータ
   - 10ページ目
     ・ 常任理事会等の設置についての調査
       - 日常的に法人運営について協議等を行う常任理事会等を設置している学校法人
         ・ 大学法人:全体の約7割
         ・ 短大法人:約5割
   - 13ページ目
     ・ 理事会の運営の仕方について調査
       - A[理事会について毎月開催して、重要事項は全て理事会で決定するところ]
       - B[年数回の開催で、予算・決算など基本事項が中心としているところ]
       - Bが多い
   - 14ページ目
     ・ 大学法人の平均的な理事の人数
       - 全体としての平均:11.58人
         ・ 常任理事:6.57人
         ・ 非常勤理事:5.01人
       - 外部理事は4.82
   - 17ページ目
     ・ 理事長の常勤・非常勤の状況についての調査
       - 常勤
         ・ 大学法人:87%
         ・ 短大法人:81.3%
   - 19ページ目
     ・ 理事長の経歴
       - 大学法人、短大法人ともに、半数以上の理事長は、自法人の創始者あるいはその親族、又は自法人の教職員からの選出
   - 22ページ目
     ・ 学校法人の外部理事は、どのような役割をしているかという調査
       - 経営計画策定に従事している者が一番多い
       - 続いて人事制度・労務管理、教学が多いという状況
   - 28ページ目
     ・ 評議員会
       - 学校法人で基本的には諮問機関と位置付けられている
       - 一方、寄附行為の中で、評議員会の議決を要するものとすることができるというルールも別途存在している
         ・ この規定に基づいて何らかの議決事項を位置付けているものがあると答えている割合
           - 大学法人:約7割
           - 短大法人:7割
         ・ どういうものを議決事項としているか
           - 予算や事業計画、寄附行為、あるいは法人合併・解散が多い
   - 29ページ目
     ・ 過去3年間(平成22~24年度)に理事会の諮問に対して評議員会が否定の意見を示した内容があるか
       - ほとんどの学校法人ではそのようなものはないという回答をしている
   - 31ページ目
     ・ 情報公開
       - 法律上の義務
         ・ 財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書、あるいは監査報告書を各事務所に備え置く
         ・ 利害関係人から請求があった場合はこれを閲覧に供しなければならない
   - 34ページ目
     ・ 実際に財務情報についてどの程度一般公開をしているかという観点で調査
       - 一般公開を行っている法人は100%
       - ホームページへの記載もほぼ99%以上
   - 35ページ目
     ・ 財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書、監事の監査報告書のほとんどについて、97%以上の法人が公表・一般公開している
   - 42ページ目
     ・ 大学ポートレートに基づいて、国公私立大学の大学情報を発信している
   - 45ページ目
     ・ 中長期計画の学校法人における策定状況について、まとめている
       - 大学法人、短大法人、52%から59%ほどが、中長期計画を策定している
   - 50ページ目
     ・ 学校法人とその他の法人では評議員会の位置付けとしての違いがある
       - 学校法人
         ・ 諮問機関といった位置付け
       - 社会福祉法人、医療法人、公益財団法人
         ・ 評議員会は議決機関を中心とした位置付け
     ・ 理事や監事の選任・解任の権限でも違いがある
   - 48ページ目
     ・ 理事の責任
       - 社会福祉法人
         ・ 法人や第三者に対する損害賠償責任という規定が入れられている
       - 医療法人、公益財団法人
         ・ 同様の規定が、医療法人、公益財団法人にも含められているという動きがある
   - 50ページ目
     ・ 会計監査人についての違い
       - 学校法人についは、私学法上の規定は存在しない
         ・ 私学振興助成法に基づく会計監査の規定はある
   - 52ページ目
     ・ 情報公開についての状況
       - 学校法人
         ・ 利害関係人に閲覧をさせるという義務が掛かっている
         ・ 公表については、私学法上の規定はない
       - 社会福祉法人等
         ・ 項目によっては公表義務がある

■ 委員からの意見発表
 ○ 西井泰彦委員(私学高等教育研究所)
   - 法人運営に係る実態と今後の在り方への提言という形でレポートする
   - 私立大学の法人運営という観点から見ると、私立大学は非常にまちまちで一定の決まりはない
   - 私立大学と学校法人の組織は学校ごとに違っている
   - 経営組織、管理・運営組織、教学組織の3つが組み合わさっている
   - 理事会が私立学校法上の最終的な決定機関
     ・ ただし、法人内の実質的な審議と決定を担っている執行役員会的なものを置いている場合が多くある
   - 理事長
     ・ 理事会の単なる長として理事長なのか、理事会をリードする理事長であるのか大学によって差異がある
   - 私立大学には法人本部という部門がある
     ・ 事務組織の在り方にも関わる
     ・ 法人本部が理事会の下にあって、全体をコントロールするような機能を果たす性格が強い場合と、そうでない場合がある
     ・ 私立学校の管理運営を行う際に、学校法人主体で考えるのか大学中心で考えるのかの違いが出る
   - 学校法人の組織の中には、高等学校以下の附属学校がある
     ・ 理事会は大学だけのことを議論するのではない
   - 理事会あるいは評議員会の実際の開催回数は、多くの学校法人において、年6回つまり2か月に1回程度のケースが見られる
     ・ 年に6回程度だと、3月、5月の予算と決算時期及び年末前後の補正予算が中心
     ・ それ以外の議題としては、例えば、理事等の任免、設備投資や借入など
       - 毎回、しかも2時間前後で、評議員会と前後して開催される場合も多い
     ・ 内容的にどこまで踏み込んだ議論ができるかが問われる
       - 重大案件があるときには、臨時的に月に1回以上開催される場合もある
       - 定例的な議題については、審議が十分には行えず、追認する状況も見られる
       - そのため、理事会の前の常務理事会等での検討や理事会決定を補強する管理体制が重要となる
     ・ 学長を中心とする教学側との調整と連携が大学の経営戦略を遂行する上で重要な役割を果たす
   - 大学には教学関係の課題を遂行する委員会が幾つか設置されている
     ・ 教務部や教務委員会など
     ・ 教務委員会の委員長あるいは教務部長が教員であるケースや事務職員が部長を担うケースがある
     ・ 教員がどこまでリードしているか、あるいは職員や事務組織がどこまで協働しているかが重要
     ・ ただし、大学ごとに一様ではない
     ・ 理事長以下の経営管理組織と学長以下の教学組織との連携が必要
     ・ 経営マターと教学マターが輻輳(ふくそう)する点の調整が私立大学では大きな課題となります
   - ある大学再生への取組み事例
     ・ 私学で今後も似たような事態が起きることもあると考えられるので類型としてまとめた
     ・ 入学時の定員割れが先に顕在化する
       - 大学だと在籍者が4年間に跨るため、時差が生じる
     ・ 収容定員ベースの定員割れが遅れて現れてくる
     ・ その結果、ST比(専任教員対学生数の比率)が下降
       - 学生が減った分だけ教員数を削減できれば問題はないが、そうはいかない
       - 設置基準の条件、容易に削減できない実際上の問題がある
       - ST比が下降すると、納付金に対する教員の人件費の負担が大きくなる
         ・ 人件費比率が上昇して、収支を圧迫
     ・ 定員割れが進行して帰属収支差額(帰属収入-消費支出)が減少、ついには逆転
     ・ 帰属収支差額比率(帰属収支差額÷帰属収入)が急降下してマイナスになった
   - このような場合に、経営者はどう対応すべきか
     ・ 当然、収支悪化に危機意識を持つ
     ・ 現状のままではいけないので、学生が集まるような学部改組や大学改革をすべきと判断する
     ・ 定員割れや収支悪化、その結果としての学内紛争に対する適切な対応ができない場合には、私立大学の管理運営は行き着くところまで行くことになる
       - 事例では、既存学部が、自分たちが稼いだ金を開設資金に回すのはけしからんと反対した
       - 経営者側は設置を進めるとともに、収支悪化を理由に既存学部のボーナスをカットし、定期昇給を止めてしまった
       - 法人には金がまだ残っており、借金もないということで、賃金不払の裁判を提訴する事態となった
       - 組合との対立激化、36協定の締結困難と超勤拒否などが発生した
       - 認証評価機関の実地調査で教員側の協力が十分に得られずに、管理運営や事務体制の面での認証が取れずに保留となった
     ・ 事例では、様々な調整を進めながら紛争を解決した
       - 赤字をどうカバーするかが経営課題になる
         ・ 収入を増やすためには、学生が集まるような学部を新設することも重要
         ・ 既存学部を集まるように改組することも必要
         ・ 大学の立地上のハンディを克服するために、都市部への文系学部のキャンパス移転を提起し、理解を求めた
         ・ 教職員組合との交渉を進め、人件費のカットを進めた
           - ボーナスを段階的に半減
           - 本給を2割ほど圧縮
           - 昇給幅を半分に縮小
           - 教職員の定年を5歳ずつ下げて嘱託化
           - 人事考課制度を導入
         ・ 以前の組合幹部を含む中堅層を理事長のワーキンググループに加え、合意を形成しながら実行した
         ・ 教職員に大学の厳しい状況を認識してもらい、生き残るための方策への理解が得られれば、人件費削減などの経営改善を進めることが可能
     ・ 新キャンパスを開設し、昨年度には再び入学定員を充足することができた
       - ただし、新しい学部の教員を採用することで人件費コストが上がる
       - 学年進行もあって財政的には困難な状態が続く
     ・ 何もしなければ大学はいずれ存続ができなくなる可能性が強くある
       - 将来的に大学を残すためには、退路を断った抜本的な方向転換と資金投資が必要
       - そのような選択が必要な時代とも言える
   - 幾つかの私立学校で起きた経営上の問題事項の共通項をまとめた資料
     ・ 経営困難の最大の要因は学生が少なくなる
       - 学生が減少して対応策が遅れると収支が悪化
       - 学生が減少したとき、又は減少せざるを得ないときの方策が重要となる
     ・ 単年度収支が悪化し、それが継続することによって、金融資産が減少
       - 借入金をしても返済財源がなくなる
       - 資金の流動性が低下すると、資金ショートが発生し、経営破綻に進む
     ・ 経常収支以外の要因
       - 教員を主とする大学の経営陣は、一般的に言って、設備投資や借入金などの経営資源に対しては感覚が疎い面がある
       - 当面の教育活動に係る予算や経常収支への関心は強くある
       - 中長期的な資金計画や資金留保には抵抗を示す
       - 平時の単年度のバランスだけでは十分でなく、大きな設備投資や不測の事態に備える財政基盤が貧弱であれば安定的な経営が困難となる
     ・ 経営姿勢や経営体制の問題
       - 厳しい経営環境に置かれている私立学校では、学校経営が民主的過ぎても、強圧的過ぎても、うまくいかないことが多くある
         ・ 私立大学の中には、一部の大手大学に見られるように、民主的な風土において合意形成が遅れ、対立が継続し、有効な改革改善ができないまま、じりじりと悪化していく状態がある
         ・ 一方では、強圧的なワンマン経営や不適正な経営体制が続き、チェック機能が機能せずに、内部告発や内部紛争が生じて経営者が更迭される場合がある
   - 私立大学の経営改善を進める上で克服すべき課題
     ・ 経営側と教学側という立場の違い
       - 理事会の中に教学側理事も入っているため、理事会の中の争いが生じる場合もある
       - 理事会における経営マタ―と学長及び大学側の教学マタ-との区分や調整が簡単ではない
       - 教学側でも一枚岩ではなく、学部間の争いも内在している
       - 国立大学では学長中心のガバナンスで統一できる
     ・ 経営改善に取り組むべき状態をどう認識し、危機意識を共有するか
       - 定員割れにしろ収支悪化にしろ、これらが継続していると、ゆでガエル状態になる
       - 大手大学の場合には、消費収支の莫大な支出超過額の累積赤字が続いており、どこが本当に危機でリミットなのかが分からなくなっている
       - 定員割れが続く大学では、その限度が分からなくなる
       - 収支差額や金融資産が減り、借金も増えているものの、どこがデッドラインかが認識できなくなる
     ・ 経営判断と経営責任についての問題
       - 経営者が、どこでどう判断するのか、その時期と内容が法律に違反しなければ、責任を問うことは困難
         ・ 経営上の判断については、明確な法令違反がある場合には、その責任が当然問われる
         ・ 経営的な課題や財政的な方策の適切性は事後評価
         ・ 判断の事前評価や中間評価は困難
         ・ 経営判断は私学の自主性の基本に関わることであり、その責任追及は難しい
       - その一方で、危機の時代における経営判断の誤りや遅れは私立学校の存続と発展を大きく左右することになる
       - 適切な経営判断を行い、それをチェックすることは理事会自身の責務
         ・ 外部からの責任追及は慎重でなければならない
   - 私立大学が取り組むべき現実的な経営課題
     ・ 喫緊な重要課題を先に延ばしている大学は少なくない
     ・ グランドデザインなどの総花的で抽象的な目標でなく、短期的又は中長期的に実行する具体的な課題を設定する必要がある
     ・ 特に、回避されがちな経営課題、例えば本給や賞与、手当などの見直しが重要
       - 国民の所得水準の低下と階層分化が進行する中で、私立大学の教職員の給与水準の二極化が進行している
       - 大手大学の教職員の給与水準はこれまでの定員超過によって生み出された結果
       - 大手大学では、明確な定員割れや収支の大幅赤字でない限りは人件費の抑制は困難
       - 給与カットなどの不利益変更を実施する学長は次の選挙で落選しかねない
     ・ 教員出身者が大学をリードすることの多い私立大学では、教育環境や労働意欲を低下させるものとして、反対されて挫折することが予想される
     ・ 大学が時代と社会の変化に応じて学部組織を整理改編することが今後の経営上の課題になってくる
     ・ 大学の施設設備という「箱物」の更新と充実
       - 私立大学の施設は学校教育法の設置者負担主義によって、自己負担が原則
         ・ この点で国公立大学と全く違う
       - 今まで整備してきた施設設備の更新財源も乏しくなっている
       - 帰属収入の4年分ぐらいの有形固定資産を数年から50年程度の期間で更新しなければならない
         ・ その原資を収支活動で生み出さなければならない
         ・ しかし財源が近年は著しく少なくなっている
   - 金融資産の蓄積が十分でないのが日本の私立大学の実態
     ・ 帰属収入の3年分から5年分近く貯まることが期待される
     ・ しかし、1.58年ぐらいの資金蓄積でしかない
       - アメリカの私大ですと10年分以上のところも見られる
     ・ 金融資産の中には借入金相当や退職給与引当分があるので、実質的には1年分の蓄積があるにしか過ぎない
     ・ 老朽施設を補修することで手一杯
       - 有形固定資産の総額は取得価格なので、現実の価格で更新するには、それの3倍近くの費用が必要
     ・ 収支改善と財政基盤の安定化ができなければ、学校の施設の維持更新はおろか、私立大学の教育の質の維持や充実の財源が欠乏する
       - 私立大学としての競争力が低下し、社会的なプレゼンスを失うことになる
   - 経営改善を進めるための経営手法に関する留意事項
     ・ 教学組織や事務組織をどうまとめて、学園の将来発展に方向付けるかが経営上の課題になる
       - 教学側に抵抗されるような課題でも、これだけは実行すべきことと説明して合意を求めることが必要になる
       - 教職員全員に対するメールやメッセージの配信が効果的
     ・ 大学の将来を担うミドル層へのアピール
       - 大学の幹部層は60才台がほとんど
         ・ 10年以内の自分の定年が見えており、20年先までの責任を果たすことはできない
       - 40才台、50才台は、20年先も生きなければならない
         ・ 過去の恵まれた待遇は期待できない
         ・ 現在の大学や法人をどうするかが自分たちの将来に直接関>現在の大学や法人をどうするかが自分たちの将来に直接関わってくる
         ・ 当事者意識を喚起し、前向きな方向に変革する意欲を取り上げていくことが重要
     ・ 経営者だけでなく教職員も含めてベクトルを合わせていくことが課題
       - 大学や法人の内部の対立を最小化し、私立学校の存在意義を発揮させる公正な姿勢と指導力が理事会と経営責任者に期待
 ○ 両角亜希子委員(東京大学)
   - 私立大学のガバナンス、マネジメントに関する論点を整理する
     ・ 大学の経営について研究している立場から発表
   - マネジメント
     ・ 組織のミッションを遂行するための諸資源の活用方法
   - ガバナンス
     ・ マネジメントの遂行を統治するための意思決定、合意形成のシステムのことを指す
     ・ アメリカの大学の場合は概念・実態が明確に分かれている
       - マネジメントは学長を中心とした執行部が責任を持つ
       - ガバナンスは理事会が責任を持つ
     ・ 日本の場合は実態の曖昧さが概念の曖昧さを招いている
       - マネジメントの意味でガバナンスの言葉を用いられることも多いなど、混同した使い方がされがち
     ・ 本来政府と大学との関係を含む広い概念
     ・ 近年の政策的な議論も含めて、機関内のガバナンスに議論が偏っている
     ・ 機関内の大学単位のガバナンスのみならず、政府と大学の関係も含めて見ていく
   - 政府と大学の関係(大学集合ガバナンス)
     ・ 韓国と日本の私立学校法の比較から考える
       - 日本だけ見ていても、その特徴はよくわからない
     ・ 私学法の比較表
       - 私学は自主性と公共性の両方をいかに担保するのかという点を重視して制度が作られている
       - 日本の私学の特徴
         ・ 政府からの統制や支援が間接的
           - 政府が直接大学を創るわけではなく、私立学校審議会の議を経る
           - 政府から補助金を直接出すわけではなく、私学事業団を通じて出す
       - 韓国の私学の特徴
         ・ 政府が設置のプロセス、補助金の出し方を直接に行う
         ・ 大学としての社会的な機能を十分に果たしていないところを退出させようという、強制的で恐ろしい仕組みまである
     ・ 間接的である意味
       - 私学に高い自主性が与えられている
         ・ 個々の私学を信頼して、そこに無条件に高い自主性があるのではない
         ・ 法律を見る限りは、総体としての私学を信頼して、その中で自主的に統制機能が働くということを期待した上で、高い自主性を与えている
       - ただし、私学総体としての自主性、自主的な相互統制機能が今どのように考えられているのか、機能しているのかは、やや曖昧になってきている印象
   - 論点①
     ・ 市場拡大期には一定の機能を果たしたが、市場が縮小する時に本当に機能するのか
       - しないとすれば、政府と私立大学の関係はどのようになるのか
         ・ 政府の関与の仕方(例)
           - 個々の大学の規模に関する統制はするのか、する場合はどのようにするのか
             ・ マーケットが縮小する時期に規制の緩和(2003年の届出制など)が行われて、ほぼ何の統制もない状態が続いている
             ・ その結果、経営が厳しい私学も大量に出てきている
         ・ 私学の経営にとっては規模というのは非常に重要なファクター
           - どのように政策が関与すべきなのか
           - その場合のロジックはどういうものなのか
           - 最近の議論に見られるように、「地方の弱小私学の救済」とかいう偏ったロジックでは恐らくないはず
           - 介入のロジックなどについて、いろいろな観点があるはずだが、政策的な議論のそ上にも上がってこないので論点として挙げた
           - ただし、規模等の問題は私学だけの問題ではないので、国公立も含めて議論する必要がある
     ・ 私学の経営困難に対する文部科学省の方針は、2007年にまとめられている
       - 困難状態に至る前にきちんとチェックして指導・相談の充実を図る
       - それが一定の効果を生んできたと、私は高く評価している
       - その一方で、経営困難に至るプロセスが当時想定されたシナリオどおりに進んでいるのだろうかと疑問に感じている
       - 想定されたシナリオと異なる動きが起きているのであれば、新たな対応方針をもう一度議論する必要があるのではないか
     ・ 解散命令は出せるが、そこに至る変更命令ができない
       - 2014年に変更命令が出さるように私学法が改正された
         ・ 堀越学園等の問題が出てきたため
       - ほとんどの私学は健全に経営している
       - しかし、異例な事態が出てきたときに対応する手段が今のままで十分なのかは検討する必要がある
       - 私学全体に統制を強めろということではない
         ・ 異例な事態に適切に対処しないと、私学総体に対する信頼の揺らぎや誤解が出てくるおそれがあるのではないかという危機感
     ・ 公共性の担保について韓国と比較
       - 私学の不正が社会問題になっているのは日本よりも韓国
       - その理由
         ・ 日本の私学助成のプロセスで一定の統制機能があるのではないか
         ・ 現職の教職員等が理事になって参加することが一定の効果を果たしているのではないか
       - 情報公開、あるいは学外者の経営参加は重要だが、内部の方が参加したり目を光らせたりすることも重要
         ・ 年に多くても月1回、6回程度の理事会で学外者が内部のことを適切に把握して、的確なアドバイスや指摘をするのは意外に難しい
   - 論点②
     ・ 情報公開や学外者の経営参画の推進は、公共性を高めるうえで、十分に機能しているのか
   - 論点③
     ・ [学長を中心とした経営体制の構築]を政策的に一律に強制するのはどうなのか
       - 学長への権限を強化・集中で問題は解決するのか
     ・ 議論で欠けていること
       - 日本の私学のガバナンスの多様性というものが十分に理解されているとは思えない議論がされている
     ・ ガバナンスの多様性を整理する仕方の例
       - 理事長と学長が同一人物なのか
         ・ 学長と理事長兼任型
         ・ 学長付託型
         ・ 経営・教学分離型
       - オーナー型か
     ・ ガバナンスの類型によって、経営状態が悪いとかいいとかは、一概に言えない
       - ガバナンスの多様性は、むしろ個性の一つとして捉えるべきではないか
     ・ ある分析でパワーバランスが拮抗しているような大学の方が経営状態がよいというような結果が出た
       - パワーバランスを分散させれば経営状態がよくなるというものではない
       - 経営困難になった場合には、権限を集中して対処するしかないということを示しているだけ
       - 研究を通じて、あるガバナンスの類型がほかに比べて望ましいというのは幻想なのではないかと感じる
     ・ そもそも日本の私立学校法は多様なガバナンスの在り方を許容している
       - 個々の大学がマネジメント改革をする上で、個々の大学のガバナンス改革が非常に重要
       - 効果的なタイミング、方向性などは、それぞれに異なっている
     ・ どのような要因がマネジメント改革あるいは大学改革に効果を与えているかについても、きちんと理解したうえで、その方策を考えるべき
       - 中長期計画
         ・ 策定率は2006年が約25%、2011年に広い意味での将来計画を持っている大学は76%と急増
         ・ しかし、効果的に活用できているという大学は限られている
       - 将来計画を構成員に浸透させている大学の方が、その効果を強く感じている
         ・ 客観的な数字(定員充足率や中退率)で分析をして確認したところ、指標の改善にも将来計画を浸透させていることが効果があった
       - 課題共有、将来計画をきちんと皆に共有していくために、いろいろな仕組み作りが有効
         ・ 大学の事情に応じた仕組みに落とし込んで導入することは、結構タフなこと
         ・ 他大学の例をそのまままねできないこともかなり多い
     ・ 各大学が将来計画を策定する際に重視しているポイント
       ① 数値目標の設定などの具体性の確保
       ② 内容の適切さ
         ・ 政策を踏まえている
         ・ 自大学の状況を踏まえている
       ③ 面での評価を反映した計画になっている
         ・ 学生満足度など
       ④ 財政との関連性
       - 特に内容の適切さや評価の反映といったものが大きな効果があることが分かっている
         ・ しかし、その実施率をみると低く、意外に重視されていない
     ・ その大学にとって適切な将来計画というのは、何の土台もなくいきなり皆で議論して出てくるわけではない
       - トップが現状を分析してビジョンを描いていくという、その能力に結構関わってくるのではないか
         ・ トップを支えるスタッフも大事
     ・ 個々の大学の状況に応じたガバナンス改革というもの自体は非常に重要
       - 理想のガバナンスモデルに向かって一律的な改革を政策的に誘導することに対して疑問を感じている
       - 個々の大学の状況に応じたガバナンス改革自体は非常に重要
       - ガバナンス改革を実現していける経営陣、あるいはそれを支えるスタッフの経営能力を高めていくことが必要
       - しかし、そういうポジションに就く前に教育や研修を受けていないケースが多い
         ・ つまりほとんど経験に頼って、大学経営に携わっている
       - 将来の管理職が育っていないことにも危機感を募らせている大学経営者が多い
         ・ たまたま優秀な大学経営者がいてラッキーというのは余りに危険
       - 大学経営は非常に難しい仕事なのだという当たり前のことを理解した上で、そのためのトレーニングが必要なのではないか
         ・ 学長の権限強化と同時に、責任も同時に強化している
         ・ むしろ皆が尻込みして、そういうポジションから逃げてしまうだけ
       - ガバナンスを変えるという問題ではなく、むしろマネジメント能力をどう向上させるかという点で議論した方がよいのではないか

■ 質疑応答、自由討議
 ○ 清水委員
   - 西井委員への質問
     ・ 大学の連携協力、あるいは合併再編などの制度的な配慮について、考えはあるか
       - 単体の大学として対応し得ない事態というのが想定し得る
     ⇒ 個々の私学に任せるだけでは困難(西井委員)
       - 推進するためには、大学間の合併や連携の必要性が認知され、公正な仲介者と地域社会や国の支援が必要となる
       - 設置する学部等の分野ごとの整理、立地条件、利害調整などの難しい問題が多くある
       - タイミング、両者の希望や思惑、合併後の在り方などに配慮しなければならない
   - 西井委員、両角委員への質問
     ・ 公益法人制度では理事者になるということは覚悟が要ることであり、名誉職ではあり得ないということが制度面でのメッセージとなっている
       - 忠実義務、善管注意義務、及び経営責任としての賠償責任
     ・ 学校法人制度において、こういう問題についてどう考えたらいいのか
     ⇒ 先送りを大学の中だけの問題として捉えている点に違和感(両角委員)
       - 学外から否応なしに気付かされるような機会が、最近は随分と設定されてきているのではないか
         ・ 認証評価、あるいは私学事業団がやっているいろいろな経営相談やリーダーズセミナーなど
       - そういった機会をきちんと学内の議論で活用していくことも重要
     ⇒ 学外の理事を増やすことで先送りが何とかなる気はしない(両角委員)
       - 教職員のいろいろな意味での参加が重要だと言ったのも、そこに関連
       - 学内の方が本当にそういう問題に気付いていないかというと、誰も気付いていないわけではない
       - 本当に真剣にその大学のことを考えている方はかなり多い印象を持っている
         ・ そういう人たちをきちんと巻き込んでいくことが重要なのではないか
 ○ 小林委員
   - 中教審のガバナンス改革で学長のリーダーシップが非常に強化されたことについて
     ・ 議論が国立大学中心の議論になっていて、私立大学については実は余り議論がされていない
     ・ 学長のことは議論しているが、理事とか理事会の議論はほとんどしていない
   - なり手がいないのではないかということについて
     ・ 職員(SDの義務化において学長が含まれている)、理事の研修の機会
       - どこにどのようなものがあるかということをオープンにしていかないと、なかなか進まないのではないか
     ⇒ ボード・デベロップメント(理事長や理事の研修)は経営が問われる時代には特に必要(西井委員)
     ⇒ 理事の研修の機会が必要、共通の場が必要というのは指摘の通り(両角委員)
       - アメリカの例
         ・ アメリカ大学理事会協会が理事の研修をかなりしている
         ・ マニュアル(細かく何をやるということを書いてあるわけでなく、心得に近い内容)も豊富
       - 短いブックレットのようなものを作っていくことも広く浸透させていく上では必要ではないか
   - 両委員の議論で出てこなかった論点
     ・ 監事をどのように考えているか
       - 平成16年の改正で監事の機能が非常に強化された
       - 実際なかなか機能していないところが多いように見受けられる
       - 会計監査はそれなりにきちんとしている
       - 業務監査は余りやっていないところ、あるいは、やっていても非常に形式的なところが多い
       - 事業団の調査などでは監事のことをかなり聞いているので、資料に入れておいてほしい
     ⇒ 理事会では扱いにくい大学業務の改善等の課題を監事から提起してもらうことが有効(西井委員)
       - その役割を理解している監事が少なく、監査機能が十分に発揮されていない状況
     ⇒ 指摘の通り、会計監査はともかく業務監査は十分に機能していないのではないか
       - 業務監査の重要性や監事の役割についても、監事だけでなく、理事がどこまで理解をしているのかということについての問題があるのではないか
 ○ 河田委員
   - 台湾の文部科学省に当たる教育部
     ・ 日本の文科省よりも教育部が強い権限と力を持っている
       - 私立大学の学生定員、授業料などは、全て教育部が決定する
       - 台湾の私立大学には日本の私立学校のような自主性はない
   - 学長のリーダーシップをもう少し強くすることが必要なのではないか
     ・ 去年の4月1日から学校教育法の93条が変わって、教授会が諮問機関となり、その力が弱まった
     ・ しかし、いまだに大規模な私立大学では各教授会が理事会の決定事項にも口を挟む状況がある
     ・ 大きな私立大学の学長選考会議はほとんど変わっていない
     ⇒ 学長の指導力の強化の必要性は大きいと考えられるが、一方的にトップダウンを強化しても大学は容易には動かない(西井委員)
       - トップへの信頼感が大切
       - 私立学校のガバナンスにおいて、経営マターについては理事会に任せざるを得ない
       - 学長は教学の意向を受けて理事会に出席して意見を言うが、理事会は経営的な観点で判断する
       - これで学長は責任を果たしたことになる
       - 学長と理事長が同じ場合、学長は経営的な観点に立つと教学側から批判される
       - 理事会が悪者になることで教学側もやむを得ないと納得
     ⇒ 大規模私大で学長のリーダーシップがもっと必要なのではないかというのは指摘の通り(両角委員)
       - ただし、あくまで大規模私大の問題であるので、政策的にどうこうするという問題ではない
 ○ 竹石委員
   - 日本の評議員会は37%が教職員
     ・ 理事会の諮問に対して評議員会が否定的な意見を出したというのは、僅か1%
     ・ 公共性を高めるという意味では、外部性を高めることが必要なのではないか
 ○ 日髙委員
   - 日本の私立大学をどのように育成して、そしてその人材育成のあり方をどうするのかという大枠を考えておくことが必要
     ・ 単に入学定員管理だけでは問題解決にはならない
 ○ 坂東委員
   - フォロワーシップ(教職員にどのように当事者意識を持ってもらうか、教育の改革の担い手になってもらうか)が非常に大事
     ・ KPIをある程度共通に公開するなどして、フォロワーシップを高める
       - 大学ポートレートは余りにも抽象的
       - その大学の結果が分かるような情報を出すようにするというのは、一つの方策
   - 特に中規模だと経営と教学を分けるのではなく、むしろ一体的でないとできないことが非常に多い
     ・ 教学と経営の分離ということは、中規模以下の大学にとっては余り現実的ではないのではないか
 ○ 小出委員
   - ガバナンスの問題もマネジメントの問題も学校法人と私立大学のいずれを指して議論するのかをよく整理をしなければならない
   - ガバナンス、マネジメントに大きな影響を及ぼしていること
     ・ 学校法人と私立大学との関係が運営に実態として多様
     ・ 学校法人・大学ともどもに規模の大小の問題がある
     ・ 設置経緯とその形態に差異が存在する
     ・ 大学の所在地の問題
     ・ 歴史の長短等
   - 学校法人や大学マネジメント、ガバナンスの在り方というものは、一律に論じられるべきではなく、画一的でもあるべきではない
   - 自由な発想に基づくところの運営や、経営が保証されていなくてはならない
   - 私立大学は、財政問題、あるいは経営問題など固有の悩みを、絶えず構造的に持っている
 ○ 丸山委員
     ・ 西井委員へのコメント
       - 18歳人口減少で、4年制大学の4割が潰れるということだったが外れた
       - 私学の自助努力というか経営努力が実った
         ・ 短大を4年制大学にした
         ・ 学部や家政学部を国際文化や人間生活科学、情報等に変えた
         ・ 教員養成や薬学部を新設
     ・ 西井委員の「改組改編が重要だという指摘」への質問
       - 進めるには、一体どんなことが学校法人としては重要になってくるのか
       - 又は、大学設置基準等の制度的な面の問題もあるのか
     ⇒ ニーズに対応して、既存の学部学科を見直し、新規分野への展開を進めることになる(西井委員)
       - 大半の私立大学の規模は二、三割ほど減ってくるかもしれないが、存続できない訳ではない
       - 変化に柔軟に対応することができれば、地方の大学や都市郊外の中小大学の強みとなる
 ○ 奥野委員
   - 監事、外部の評価(法人評価委員会など)を取り上げてもらいたい
 ○ 黒田座長
   - 私立大学は戦前からあるが、学校法人は戦後にできた組織
     ・ 戦前からある大学は財団法人形式で、評議員会が全責任を持っていて、今も変わっていない
     ・ ところが、私立学校法では理事会が最終責任者になっている
     ・ ギャップを今後どう埋めていくかが問題
       - 評議員会というのが今のままでいいのか
   - いろいろな私立大学の議論をする場所がなくなってしまった
     ・ 私立大学を創ったときに、私立学校審議会、私立大学審議会というのがあった
     ・ 私立大学審議会が廃止されてしまった
     ・ 大学設置・学校法人分科会の中に入っている
       - しかし、大学設置に関わることしかしない
     ・ 私立大学そのものがどうあるべきかという議論をずっとおろそかにしてきている
     ・ 国としての私立大学の育て方をどうするか方向性を出す必要があるのではないか

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