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公開日:2013年2月13日 最終更新日:2013年2月22日
学内の取り組みを考える職員の話し合いの場でKJ法を使ってみました。当日行った手順を書いています。使ってみた結果、新しい意見を出し、メンバー間で考えを共有することに役立ちました。
ある研究会で簡易的なKJ法によって話し合いの内容が整理されていくのを見て、自分も試してみようと思ったのがきっかけです。
以前、中元崇さん(京都大学)から大学マネジメント研究会の京都地域交流会を紹介していただき、参加しました。当日はIRの仕組みづくりや学内の合意形成の取り組みなどについて、複数の大学の事例が報告されていました。そして、事例報告の後は、グループに分かれて議論をするという形式で進められました。
グループに分かれた議論では簡易的なKJ法が使われました。意見を付箋に書き出し、模造紙に配置し、まとめていくという方法です。KJ法の手続きについて知ってはいましたが、実際に手を動かすのは初めてでした。
振り分けられたグループでは、メンバーの京大の職員の方が、見事なまとめ方をされていました。当日は時間が限られたため、簡易的なKJ法でしたが、グループで出された意見が整理されていくところを体験することができました。
そこで、一度きちんとした形でKJ法を使ってみたいと考えました。試す機会は光華女子学園の学内で行っている職員の勉強会(大学職員だけではなく中高の職員なども参加)を選びました。その勉強会では現在、メンバーを少数のグループに分け、グループごとに学内で行う取り組みを考えています。そのグループの話し合いの際にKJ法を使ってみることにしました。
まず、事前にKJ法について書かれた文献[1]で考え方、手続きを確認しておきました。また、グループの話し合い当日までに、模造紙、大きめの付箋、ペン(黒・赤・青を人数分)を準備しておきました。なお、話し合いをするグループはこれまで何度も集まっています。メンバー同士の緊張をほぐすアイスブレイクは不要です。
話し合いが始まってからは、出てきた意見を付箋に書いていきます。また、意見を出す中で「批判しない」「奇抜なことでもOK」「質を気にする前にとりあえず言う」「人の意見を聞いて思いついたこともどんどん言う」(ブレインストーミングの4原則)のルールをゆるやかに確認していきました。批判しないというルールについては、グループが元から建設的に意見を出す感じになっているので、強調する必要はありませんでした。
グループ内には思いついたことを気軽に言う雰囲気があったので、たくさんの意見がすぐに出てきました。また、メンバーの意見を聞いて思いついた新しい意見もどんどん付箋に書いていきました。
一通り意見が出尽くして、メンバーが無言になってきたところで、付箋を4枚ずつ配ります。「これまで書いてきた付箋とは違う意見を書く」「変なアイデアかなと思っても書いてみる」を伝えます。ここは個人の作業です。一人で考えながら付箋に意見を書きます。その間、無言でした。5分もかからないうちに全員書き終わりました。意見は出尽くしたかなと思っていましたが、強制的に書くことにすると新しい意見が出てくるのには驚きました。
新しく書いた付箋を全て並べます。それぞれについて、書いた人が内容を説明します。説明のときに出てきた意見も付箋に書いていきます。
説明が終わった後は、これまでに書いてきた全ての付箋を順不同で模造紙にばらまきます。そして、付箋を見渡して、何となくまとめたいなと思うものをくっつけていきます。作業を進める中で「何となく感じたものを優先させる」「論理的にまとめようとしない」ことを伝えました。また、他の付箋と一緒にならずに1枚のままで残ったものも1つのまとまりとして扱いました。まとめていくときは、まとめる理由をぶつぶつ言いながら手を動かすと作業が進みやすいように思います。まとめていく作業はすんなり終わりました。
まとめ終えた後は、まとめたものを枠で囲みます。枠で囲った後は、それぞれの枠に見出しを付けます。見出しを付けたら、それぞれの枠の関係を矢印などを使って書いていきます。枠、見出し、関係性は色ペンを使うとわかりやすくなります。
以上の作業が終わったら、話の流れがどうなるかを意識しながら全体を眺めます。そして、しっかりと言葉で説明していきます。そのときに出てくる意見も付箋に書きます。説明をするときは全ての付箋を使うことを確認します。言葉で流れが説明できた時点で、おしまいです。
グループの話し合いのときは、ここまでで終わりでした。KJ法では、次のステップとして、口頭で説明した話の流れをきちんと文章にして考えを整理することを勧めています。
KJ法は意見を出して考えを共有していくのに役立つ、というのが感想です。
話し合いのときには、新しい意見・おもしろい意見が次々出てきました。[意見が出尽くした後に、強制的に数枚付箋に意見を書いてみる]という方法は有効だと思います。話の流れも整理できました。また、メンバー間で考えが共有できました。共有できた理由としては、意見を出してまとめていく過程をメンバー全員で同時に体験し、さらにお互いの意見を確認しながら視覚的にわかるように形にしたことが大きいと思います。
今後も使えそうな方法だと思うので、自分用の記録として残しておきます。このページをご覧いただく方にとっても、何かのご参考になればと思います。