ホーム → 大学に関わる情報メモ → 「平成26年度大学における教育内容等の改革状況について」の調査票(前回との差分)
公開日:2015年10月30日
「平成26年度大学における教育内容等の改革状況について」の調査票を前年度分と比較し、差分を調べた。実施しているかだけではなく活用しているかを尋ねる設問の追加、「カリキュラム編成上の工夫」にアクティブラーニング・職員の参画・企業との連携の追加などが見られた。差分の情報は、学内の関連部署に回答を依頼するときに使える。また、文部科学行政の動向を確認するときにも使える。
2つ理由がありました。1つは[目先の業務に必要な情報だから]という理由です。もう1つは[文部科学行政の動向を確認できる情報だから]という理由です。
1つ目の理由[目先の業務に必要な情報だから]について、業務で文部科学省の調査「大学における教育内容等の改革状況について」(前年度の状況を回答する調査)[1]の学内取りまとめに携わっています。調査対象の範囲が広いため、1つの部署だけでは回答できません。そのため、調査項目の内容に応じて、学内の関連部署に回答を依頼し、各部署の回答を取りまとめることになります。
教育内容・方法の改善などについての状況が変化しているかを調べるため、調査は毎年、同じような調査項目を使って行われます。今回の調査項目も前回と「ほぼ」同じものが使われています。そのため、関連部署に対する回答依頼は基本的に前回の調査と同じになります(前回と同じ部署に同じ項目の回答を依頼)。ただし、調査項目が部分的に変わっているため、差分を調べた上で、新しく加わった項目がどの部署の担当範囲なのかを確認する必要があります。そこで、差分を調べてみることにしました。
2つ目の理由[文部科学行政の動向を確認できる情報だから]について、差分についての情報は、関連部署に回答を依頼するときに使う以外に、文部科学行政の方向性や関連予算の動向を確認するときにも使えると思い、調べてみました。例えば、「大学における教育内容等の改革状況について」で調査された結果は、「第2期教育振興基本計画」[2]の進捗状況を確認するために使われています[3]。また、第2期教育振興基本計画は、概算要求と関係しています[4]。
設問の差分を見ていると、やはり文部科学行政の動向を反映していると思われるものがありました。興味深かったものは、以下の通りです。実施しているかだけではなく、活用しているかを尋ねる設問を追加(3-H「学生の学修時間・学修行動の把握の状況」)。「学生が修得すべき知識及び能力に関する情報」が「情報の積極的な公表」から「学位授与の方針等の策定と公表の状況」に移動(格上げ)。「カリキュラム編成上の工夫」にアクティブ・ラーニング、職員の参画、企業との連携を追加。卒業生調査の追加。高校関係者との連携の取組についての設問が頻度から実施内容に変更。SDについて設問の順序が上がった。制度変更(大学ガバナンス改革[5])に伴い、関連する設問を削除(「教授会の運営状況」など)。
「平成26年度大学における教育内容等の改革状況について」(平成27年度実施)と「平成25年度大学における教育内容等の改革状況について」(平成26年度実施)の差分のうち、主なものを記載。
<大学の基本情報>削除
- 総収容定員・卒業要件単位数・必修単位数、常勤教員数・非常勤教員数などを回答する項目
<1.学位授与の方針等の策定と公表の状況>
- 1-A 「学位授与の方針」
・ 方針を定めている範囲の表現を変更 ※1-B、1-Cも同様
- 「大学もしくは学部(研究科)全体」/「大学もしくは学部(研究科)の一部」 → 「全ての学科・専攻等」/「一部の学科・専攻等」
・ 公表方法の選択肢「学内でのみ参照できる」を削除 ※1-B、1-Cも同様
- 1-C 「入学者受入れの方針」
・ [入学者受入れの方針を定めている場合に募集要項等に記載しているか]の設問を削除
- 1-D 「学生が修得すべき知識及び能力に関する情報」
・ 「情報の積極的な公表」(削除項目)から「1.学位授与の方針等の策定と公表の状況」に移動
<2.教育内容の改善の状況>
- 2-A 「カリキュラム編成上の工夫」
・ ①カリキュラム編成上の工夫の具体的な取組
- d 履修系統図の表現(丸括弧内)変更
・ 「履修系統図(カリキュラムマップ、カリキュラムチャート)」 → 「履修系統図(カリキュラム・ツリー等)」
- h 「能動的学修(アクティブ・ラーニング)を取り入れた授業科目の増加を図っている」追加
- l 「カリキュラム編成に当たり、職員が参画する仕組みを設けている」追加
- m 「カリキュラム編成に当たり、企業等と連携する仕組みを設けている」追加
・ ②「教養教育を実施するための全学的な組織を設置していますか」削除
- 2-B 「多様な授業科目の実施状況」
・ ボランティア活動の科目についての具体的な内容(公共委施設、青少年健全育成、体育・スポーツ・文化など)を尋ねる設問を削除
・ 知的財産権、体育の科目の開講形態(必修、選択必修、選択)を尋ねる設問を追加
・ 人権の科目についての具体的な内容を尋ねる設問を削除
- 2-D 「情報通信技術を活用した教育の実施状況」
・ ③「OCW(オープンコースウェア)等、教材や授業等のネット配信を実施していますか」削除
・ ④「MOOC(マッシヴ・オープン・オンライン・コース)による講義配信を実施していますか。」削除
- 「学外学修プログラムの実施状況」削除
<3.教育方法の改善の状況>
- 3-B 「履修科目の登録上限の設定状況等」
・ 1年間の上限単位数を尋ねる設問を削除(設定の実施有無を尋ねる設問は残す)
- 「主専攻以外の分野を履修させるための取組」削除
- 3-C 「高等学校での履修・修得状況への配慮」
・ 「・修得」が加わった(ただし設問の文言同じ)
・ 高等学校での履修状況に配慮した入学前・後の取組を行っている場合の対象者(帰国子女、留学生など)についての設問を削除
- 3-E 「履修指導や学修支援制度等の取組状況」
・ 「外国人留学生と日本人学生が、外国語によるコミュニケーションを通じて、国際交流を図る場所の設置」追加
・ 「f~l以外を目的とする履修指導や学修支援のためのセンター等の設置」 → 「学習支援センター等における個別指導」に変更
- 3-G 「成績評価の状況」
・ ④GPAの具体的運用方法
- 「学生に対する個別の学修指導に活用している」追加
- 3-H 「学生の学修時間・学修行動の把握の状況」
・ 「把握した学生の学修時間や学修行動に関する情報を、大学教育等の改善にどのように活用していますか」追加
- 3-I 「学生の学修成果の把握の状況」
・ 項目名、設問から「課程を通じた」削除
- 3-J 「卒業生調査等の状況」追加
- 3-K 学生による授業評価等の実施状況
・ 12項目の下から4番目 → 12項目の下から2番目(下がった)
- 3-L 教学マネジメントに関する取組
・ 前回は「教学マネジメントに関する特徴的な取組」(「特徴的な」を削除)
<4.開かれた大学づくり>
- 「大学以外の教育施設等における学修」削除
- 4-E 「転学部・転学科の状況」
・ 転入学の設問削除
- 「国内の大学とのダブル・ディグリー」削除
- 4-F 「高大連携の状況」
・ ①高校生が大学教育に触れる機会を尋ねる設問
- 「高校生を対象とした、大学の通常授業または公開講座を大学コンソーシアム等で開催」追加
・ ②高校関係者との連携の取組
- 選択肢が頻度から実施内容に変更
・ 意見交換会等の頻度 → 意見交換会等、高校の授業見学、高校の学習内容や履修状況の把握、高校教員への研修機会の提供など
- 4-K 「履修証明プログラムの実施状況」
・ プログラムの内容についての選択肢削除(名称、開設時間数、受講者数、証明書交付者数は残る)
- 「学生以外の者を対象とした教育課程の提供状況」削除
<5.教職員の資質向上等の取組状況>
- 5-A スタッフ・ディベロップメントの実施状況
・ 4項目の下から2番目 → 4項目の一番上(上がった)
<6.組織運営の活性化>
- 「教授会の運営状況」削除
- 「学長、学部・研究科長の選考方法」削除
- 「教育課程の形成・編成への職員の参画状況」削除
- 6-D 「入学者受入れに関する取組状況」追加
<情報の積極的な公表>削除
- 「教育研究活動等の公表状況」削除
- 「学生が修得すべき知識及び能力に関する情報」は「1.学位授与の方針等の策定と公表の状況」に移動
<7.グローバル人材育成と大学の国際化の状況>
- 項目名「海外の大学との大学間交流協定等の状況」 → 「グローバル人材育成と大学の国際化の状況」に変更
・ 2-B 「多様な授業科目の実施状況」の中の下記設問が、この項目に移動
- 英語科目の取り組み、水準・達成目標の設定についての設問
- 外国語による授業の実施状況についての設問